審査は数秒
今日は師田久子先生の講義を受けてきました。針切から倣書、創作の勉強です。
針切は、針で書かれたような細く鋭い線が特徴的ですが、その古筆の香り(雰囲気)を半切作品へ仕立てるのは容易ではありませんでした。
時間内に書き上げて、最後に受講生全員の作品を壁に並べ、先生から講評をいただきます。
師田先生は名だたる展覧会の審査をさなっておられますが、作品は数秒、白(余白)の美しさが際立つものを選ばれると仰っておられました。
書いているときは、線やカタチに気を取られてしまいますが、余白の美を意識できるようになりたいと思います。(助手)
卒業作品展示
日本書道美術館の特設講座「書道大学」の専攻科仮名科の卒業作品(助手)が展示されました。
二年間には著名な先生方に教われる貴重な学びの場と思います。
墨の製造工程
数年前に奈良の古梅園さんへお邪魔しました。
今は難しいとは思いますが、当時は予約をすれば、握り墨体験や実際に墨の製造現場を丁寧な解説とともに見学させてくださいます。
数百年続く伝統技法に感動しました。
パンデミックが収束したら是非また訪れたい素敵な場所です。
墨(すみ)には、菜種(なたね)、胡麻(ごま)、桐(きり)の油(あぶら)を燃やして(もやして)採った(とった)煤(すす)から製する(せいする)「油煙(ゆえん)墨(ぼく)」、松脂(まつやに)を燃やして(もやして)の「松(しょう)煙(えん)墨(ぼく)」があり、最近(さいきん)は鉱物(こうぶつ)の煤(すす)から製する(せいする)墨(すみ)もあります。
1.採(さい)煙(えん)
純植物性油(じゅんしょくぶつせいあぶら)を土器(どき)に入れ(いれ)、藺(い)草(ぐさ)でつくった芯(しん)に火(ひ)をともして土器(どき)の覆い(おおい)をかぶせ、その内側(うちがわ)についた煤煙(ばいえん)をとります。
2.膠(にかわ)溶解(ようかい)
上質(じょうしつ)の膠(にかわ)を深さ(ふかさ)30cm(30せんち)ほどの銅(どう)壺(つぼ)に入れて(いれて)、70度(ど)のお湯(おゆ)で時間(じかん)をかけゆっくりと湯煎(ゆせん)をし、膠(にかわ)の溶かした(とかした)液を作ります。
3.配合(はいごう)・練(ね)り
煤(すす)と膠(にかわ)の溶液(ようえき)を100対(つい)60の割合(わりあい)でよく混ぜ合わせ(まぜあわせ)、この時(とき)香料(こうりょう)も入れて(いれて)よく練り上げます(ねりあげます)。この練り具合(ねりぐあい)で墨(すみ)の生命(せいめい)が決(き)まります。
4.型入(かたい)れ
墨(すみ)の文字(もじ)、図柄(ずがら)が彫って(ほって)ある梨(なし)の木(き)で作られた(つくられた)木型(きがた)に、光沢(こうたく)の出る(でる)までよく練られた(ねられた)墨(すみ)を型(かた)入れ(いれ)します。
5.灰(はい)乾燥(かんそう)
木型(きがた)から取り出した(とりだした)墨(すみ)は、第1日目(だい1にちめ)は水分(すいぶん)の多い(おおい)湿った(しめった)木(き)灰(ばい)に埋め(うめ)、2(2)日目(かめ)以降(いこう)は徐々に水分(すいぶん)の少ない(すくない)木(き)灰(ばい)に埋め(うめ)かえていきます。
6.自然(しぜん)乾燥(かんそう)
灰(はい)乾燥(かんそう)が終わり(おわり)、約(やく)7割(わり)の水分(すいぶん)が除かれた(のぞかれた)墨(すみ)は、藁(わら)で編んで(あんで)天井(てんじょう)から吊るして(つるして)室内(しつない)(自然(しぜん))乾燥(かんそう)をします。
7.磨き(みがき)
乾燥(かんそう)した墨(すみ)は表面(ひょうめん)に附着(ふちゃく)した灰(はい)を1丁(ちょう)ずつ水(みず)で洗い落とします(あらいおとします)。その後(そのご)炭火(すみび)で焙り(あぶり)、微(び)に表面(ひょうめん)を柔らかく(やわらかく)して蛤(はまぐり)の貝殻(かいがら)で磨き(みがき)、美しい(うつくしい)光沢(こうたく)を出(だ)します。
8.彩色(さいしき)
丹精(たんせい)込めて(こめて)つくられた墨(すみ)は、更に(さらに)しばらくの間(あいだ)、自然(しぜん)乾燥(かんそう)した後(あと)金粉(きんぷん)や銀粉(ぎんぷん)またいろいろな顔料(がんりょう)を用いて(もちいて)彩色(さいしき)します。独特(どくとく)の特徴(とくちょう)ある墨の紋様(もんよう)もこの彩色(さいしき)でより美しく(うつくしく)鮮明(せんめい)にあらわれてきます。
「不二」写真版最優秀
生徒たちは毎月、日本書道教育学会「不二」に課題を提出しています。
小学2年生の生徒が写真版最優秀に選ばれました。
6月号:講評/転折(折れ)、払い、はねがしっかり書けています。バランスの良い素敵な作品です。
5月号:講評/筆の使い方が正しく、ハネ・ハライが美しく、字形が整ったりっぱな作品です。
お手本(小学4年生)
まだ5月と言うのに、お手本のような梅雨空が続きます。
子どもたちも梅がどうしても大きくなって苦戦しています。ポイントは木へんの幅を狭くして、右に出ないようにする。
雨は二画目三画目を内側へ意識するといいですね。
空もバランスを取るのが難しいですが、お手本をしっかり見て、最後までしっかり書き切ることが大切です。
季節が・・・
桜の季節からだいぶ経ちますが
色々書いては楽しんでいます。
こうしなきゃいけない、とか決まりごとはないです。自由な発想で。
ご一緒にいかがですか。
展覧会
第65回 当時6年生だった生徒
日本書道教育学会 全日本学生書道展において
中国大使館賞受賞
第68回 当時6年生だった生徒
日本書道教育学会 全日本学生書道展において
読売新聞社賞受賞
生徒のがんばった成果
これほどうれしいことはありません。
一年の集大成で出される生徒さんもおられます。
ご指導いたします。一緒に愉しみませんか。
以下、日本書道教育学会の公募展の概要です。
自分の作品を発表したい方、日頃の成果を試してみる絶好のチャンスです。
日本書道教育学会の主催する公募展はすべて文化庁の後援の下、内閣総理大臣賞や文部科学大臣賞ほか多数の褒賞を頂いており、会場は個性豊かな作品で埋め尽くされています。「書道學會展」「全日本学生書道展」「不二現代書展」の三大書展をはじめ様々な公募展を開催しており、どなたでも出品が可能です。
第71回 全日本学生書道展 公募
出品期間:令和3年10月4日(月)〜10月8日(金)
開催期間:令和4年1月4日(火)〜1月10日(月)
会 場:東京都美術館2階第2・3展示室
「全日本学生書道展」の詳細を見る https://www.nihonshodou.or.jp/koubo/gakusei/index.html
第71回 書道學會展 公募
出品期間:令和3年10月11日(月)〜10月15日(金)
開催期間:令和4年1月4日(火)〜1月10日(月)
会 場:東京都美術館2階第3・4展示室
「書道學會展」の詳細を見る